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スイカ
2012-07-28 (土) | 編集 |
スイカの商品

 夏の代名詞とでもいうべきスイカ(Citrullus Lanatus)はウリ科の植物でキュウリやメロン、かぼちゃなどの仲間である。野生種がアフリカ中部の砂漠地帯に分布していることから、そこが原産地だろうといわれている。エジプトではスイカを描いた4000年前の壁画も見つかっているが、当時は主に種を食べていたようだ。果物として栽培されるようになるのは地中海沿岸に伝わってからで、ヨーロッパを経て17世紀にアメリカへ移住民が持ちこんでから品種改良が重ねられて普及した。
 アジアでの歴史は古く、紀元前にはインド、11世紀にはシルクロード経由で中国に伝わったようだ。西瓜(シイグワ)という名前はもともと中国のもので、中国から見て西域の中央アジアから伝わったことに由来する。日本にもそのままの名前で渡来してきた。
 西瓜が日本に伝わったいきさつについては、天正7年(1579)にポルトガル人が長崎に持ちこんだとか、慶安年間(1648~1652)に隠元禅師が中国から持ち帰ったとか、岡山地方の弥生時代の遺跡から炭化した種が大量に発見されるなど、諸説ある。江戸時代の後期には全国に普及し、三河や紀州に産地ができ、「伝法寺」や「權次」のような黒皮赤肉の在来品種もできた。明治時代になるとアメリカなどからたくさんの品種が導入され、日本の気候風土にあわせた品種改良がさかんに行われ、現在にいたっている。
 江戸時代の農学者、宮崎安貞が著した『農業全書』には、スイカは「味よく暑気をさまし、酒毒を解し、渇きをやめ・・・」と記されている。スイカは昔から、単に食用としてだけではなく、体によいものとして親しまれていた。弥生時代の遺跡から炭化した種子が大量に発見されたことから、当時、高タンパクなスイカの種が備蓄食糧として利用されていたのではないかともいわれている。漢方では、スイカの皮はコレステロールを減少させたり、血管を拡張させたりする薬の材料として使用されている。
 スイカの果汁は薬用として利尿に特別な効果がある。利尿作用の強いシトルリンという成分と、体の塩分を尿として排出するカリウムとの相乗効果でむくみを取ったり、塩分の摂りすぎによる高血圧の予防、膀胱炎や腎炎の予防に働く。果汁を濃縮した「スイカ糖」は急性や慢性の腎臓炎に服用される。
 スイカの果肉の90%以上は水分で、果汁は糖質7.9%と、少量のリンゴ酸やアルギニンを含む。紅色の色素はリコピンとカロチンである。種子には20%の脂肪と50%以上のタンパク質を含み、フィトステロール、ウレアーゼなどが含まれている。
 トマトなどと同じカロテノイドのリコピンは抗酸化作用が働き、細胞の酸化を防いだり、免疫力の強化、癌や動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果的である。スイカの白い部分にはビタミンCを破壊する酵素アスコルビナーゼが含まれるので、料理に使用する際には酢の物などにするといい。酢の作用でアスコルビナーゼの働きを抑えることができる。スイカの皮に近い白い部分で手足や顔をマッサージすると天然のパック効果を得ることができる。この部分には皮膚をなめらかにする成分が含まれている。
 美味しいスイカの選び方としては、まず縞模様の濃いものを選ぶ。スイカの生育には太陽の光が欠かせない。独特の縞模様は浴びた光のバロメーターなのである。日陰で育ったスイカの縞模様は薄く、逆にたっぷり光を浴びたものは黒く濃く、はっきりとしたコントラストができている。
 また、頭の軸が細いものを選ぶといい。茎が太いと大量の水分が身に入りこみ、味の薄い、水っぽいスイカになってしまう。茎の細いスイカは少ない水分で甘みが凝縮され、密度の濃いスイカになる。それから、全体がきれいな丸みをおび、触ると多少ザラザラしているものを選ぶ。
 スイカは主に生食する。冷やして食べると食感がよくなるだけでなく、甘みが増す。甘みを強く感じるために塩をかけて食べることもあるが、塩分を排出する作用があるカリウムが多く含まれるので、塩をかける場合は少量にした方がいい。
 精悍な姿形で釣り魚の中でも人気の高いクロダイ(チヌ)という魚は、なんでも食べる雑食性の魚としても知られている。その釣り餌としてスイカの効果は絶大らしく、普段は海底近くにいる警戒心の強いクロダイが水面に背ビレを出してまで群がってくるほど、激しい反応を見せることもあるらしい。付け餌にするスイカは1~2センチのサイコロ状に切って、前の晩から砂糖漬けにしておくと果肉が固くしまって使いやすい。

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